メイフェアオーナーは、あるときふと思いました。
メイフェアという店が大のお気に入りで、
毎日必ずサンドイッチやキッシュを食べたり
スープや紅茶を飲んだり、ケーキやフィナンシェまで食べたりと、
メイフェアの食事で生きているようなもの。
安全だし、おいしいし、雰囲気イイし。
音楽も最高だし、スタッフは良い声で話すし。
なのに、ごく稀にですが、他の店でランチが食べたくなるときがある。
なぜだろう。自分でもよくわからない。
最近、やっと気づきました。
「玄米がない!」と。
どうして気づかなかったのかわかりませんが、
子どもの頃から玄米を食べていて、しかも肉料理も好き。
越後もち豚の角煮とか。
地鶏のトマト煮とか。
肉料理なら、ボリュームのあるサラダもほしい。
あとは、欲を言えば、具の多いスープ。
液体ばっかりの水みたいなスープではなくて、
ほとんど具でできているような、ずっしり重めのスープ。
サンドイッチもいいけれど、
一日に少なくとも一回は玄米を食べないと、食事をした気がしない。
そこで、例によってオーナーの無茶な指令が飛びました。
「玄米ランチ、作って」と。
「玄米……メイフェアに玄米……ですか?」とスタッフ。
「そう。メイフェアのお客様に満足してもらえるような、
質の高い玄米ランチね。しかも肉料理も付け合わせも日替わりで。
サラダはてんこ盛り。ゴージャスなスープも忘れずに。
デザートとダージリン紅茶がつくのは当たり前だから」
「オーナー、それではランチじゃなくてディナーですよ」
「いいよ。ディナーみたいなランチを、ランチの値段で提供しよう」
いつものように無茶な指令でしたが、
そこは優秀なスタッフたちのこと、
やがて
玄米ランチセットを完成させました。
なにしろオーナーは、スタッフの殺し文句を知っています。
「お客様が喜ぶぞ〜」
メイフェアのスタッフはみんな
「お客様に喜んでいただく」という言葉に
とにかく弱いのです。
どんな無理難題を課されても、
「お客様に喜んでいただこう」というセリフが飛び出した途端
「そうですねっ」と目をキラキラさせるのです。
そんな経緯がありながら完成した玄米ランチセットが、こちら。
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「ブラボー、ブラボー」と連発しながら完食したオーナー、最後に一言。
「これなら毎日通うわ、おれ」
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