英国紅茶サロン メイフェア
コラム
◆メイフェア音楽会で椅子からずり落ち……
先日、第1回メイフェア音楽会がおこなわれました。
いやぁ、ステキでした。
メイフェア音楽会はお食事と生演奏を楽しむイベントです。
今回はアフタヌーンティーを召し上がりながら、お友達とおしゃべりをしたり、演奏に耳を傾けたりと、気軽な雰囲気でステキなひとときを堪能していただけたようです。
演奏が終わると、そのままお食事やおしゃべりを楽しんでいただき、1時間ほどすると誰からともなくお帰りになり、その「退き方」がまたいいんです。
日常と非日常の境界があいまいな感じというのでしょうか。
――と、ふと見ると、みなさんがお帰りになってしばらくしても、サロンチェアに沈み込むように座ったまま立とうとしない方がお一人。
なんとなく目の焦点が合っていないような……。
心配になって声をかけてみると、「うっとりしちゃって……」と。
メイフェア音楽会のために、埼玉からいらしたそうです。
それはまた、ここで過ごす時間より、移動時間のほうがずっと長いですねぇ。
音楽の世界にどっぷりと入り込んでいたようで、何かに酔ったような表情でした。
ボサコルデオンのお二人がアンコールに応えて演奏してくれた曲では、歌い出しの「声」に圧倒されて椅子からずり落ちそうになったとか。
(同感です。あれはすさまじかった……。「人の声」のパワーを再認識させられました)
演奏が終わって楽器をしまってから、申し訳なさそうにアンコールしてくれたお客様に感謝、です。
この方はその後、足取りも軽やかに……という感じではなかったなぁ……ほとんど千鳥足でふらふらとメイフェアを出た後、どこに行ったのか。
なんと、
「信濃川の土手で月を眺めながら余韻に浸っていた」
のだそうです(翌日メールをくださいました)。
あ〜、やっぱり。
なんとなく、「あっちの世界へ行っちゃったまま、戻ってきていない」ような様子に見えたのです。
なんという「非日常」。
メイフェア音楽会には、非日常がいっぱいです。